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インタビュー

|第1回|川上瑛さん〈串原農林〉

2015/01/26

自分が生まれ育ったところで、働き生きていく。
そんな当たり前のことが当たり前にできるように

川上瑛
●川上瑛さん(かわかみてる)
1980年生まれ、恵那市上矢作出身。高校卒業後トヨタ自動車に入社し、愛知県豊田市の工場に勤務。
6年前に恵那市にUターン。昨年(2014年)に退職し、串原で農業をスタート。3児の父。

恵那市の最南に位置する恵那市串原。コンビニもなければ、信号もない山里。
恵那市中心部に出るには車で約50分ほど、隣接する豊田市にも約1時間とそう変わらないため、高校を卒業するとこの町を離れ豊田市で働く若者も少なくない。川上さんもその1人だった。

串原の風景
 

「僕は、昔から農業をやりたいと思っとったわけじゃないんですよ」

04年に串原出身のひとみさんと結婚。
その後も豊田での生活を続けていたが、6年前に串原に移り住み、毎日通勤生活を送る中で気持ちが変化していったそう。

 

—どうしてサラリーマンを辞めて、農業をはじめることにしたんですか?

「僕別に、会社がやだったとか人がいやだったとか、そういうのは全然ないんですよ。縛られとる感はちょっと嫌だったけど笑。僕は育ったところは上矢作で田舎だかららね。子供のころにじいちゃんを手伝ったりとか、百姓は身近だった。それが、高齢化で担い手もいなくてどんどん農地が空いていくのを目の当たりにして…串原をなんとかしなきゃっていうよりもさ、うちらがやらんとどうにもならんのじゃないかな、っていう思いになって、それで14年務めた会社を辞めて、春から農業を始めた。仕事を辞めてやるなら、串原だなと思ったし。今は1年生だね。」

川上瑛
 

 —そのとき周りの反応は?
「奥さんは、まぁ、どうにかなるんじゃない?って笑ってたよ。逆に僕はどうにかしないかんからさ。
結構みんな、なんで辞めたの?!なんでなんで?って聞かれるんやけどね。なんでって〜別にいいじゃん!って言ってる。なんでって別に、ねぇ?笑 結構勢いで、っていうのもあったかな。」

 

 —今はどんなものを生産しているのですか?
「今年は50アールの畑で、ナスやじゃがいも、こんにゃく芋を栽培しました。来年は、トマトをやろうと思ってます。」

 

串原こんにゃく
 

「串原って、昔は見渡せばこんにゃく畑っていうくらいこんにゃく芋をそこらじゅうでつくっとったのね。もう米かこんにゃくかっていうくらい。僕のおじいちゃんもこんにゃくをやっとった。それがやっぱり高齢化で、どんどん辞めていく。串原でもほとんどもうやってない。今は3人〜4人くらいかなぁ。誰かがこんにゃくをやらんと、串原でなくなってっちゃうという危機感みたいなものがあって、それで今年、ずーっと串原で作り続けとったおじいさんに教えてもらいだした。串原には加工場もあるんやけど、誰かがやっていかんと、そこもまわっていかんくなっちゃうからね。」

こんにゃくいもは、出荷できるまでに3年という年月と多くの手間がかかる。
それでも串原の伝統を守っていきたいという思いが強い。

 

串原農林
 

—「串原農林」について教えてください。
「正直農業だけで年間食べていくのって、厳しいんですよ。同じように林業だけでも厳しい。僕の義兄の三宅大輔が「串原林業」っていうのをやっとるのね。僕は林業のことはよく分からんけど、木を切るのは夏場より冬場の方がいらしい。農業はやっぱり冬場が課題。だったら一緒に、何か新しい形を作っていこう、一緒にやりましょうよ、と。林業の人が夏場に農業、農業の人が終わったら冬場林業を手伝う、そんな「半農半林」という形をつくっていきたい。今はまだまだ出来ないけど、ゆくゆくはそういう形になっていけばといいなっていう話はしている。今僕は冬場はまるっきり仕事がないから、僕がモデルになっていくんだと思う。」

 

川上瑛
 

—それでは最後に!今後、串原をどうしていきたいですか?
「究極は半農半林ができて、串原ブランドをつくっていくこと。例えば、今つくったナスとかトマトとかって、今は東美濃産とか岐阜産ってなるんだけど、それが串原産として出せるようになるのが理想だね。
串原って、中山神社の太鼓のお祭りがあって、子供達は太鼓が大好きなのね。勉強やピアノより、太鼓が大好き。お祭り大好き。串原が大好き。大好きな人ってたくさんいるんだけど、結局は働く場所がないんだよね。だから串原を離れてまちに行く人が多い。何とか今後、僕らがブランド化していって、串原で雇用ができる場がつくれたら最高だなって思う。

ぼく1人じゃどうにもできないけど、僕らでなんとかしてけたらいいな。田舎にせっかくおるんだったら、たまにまちに行くくらいでいいんじゃないかな? 生まれ育ったところで働いて、生活できるっていう当たり前のことができるようになっていく、そんなことを実現していきたいです。」

 

取材・文・写真:園原麻友実

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