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インタビュー

|第5回|中田誠志さん<美濃丈プランニング代表>

2015/08/20

中田さん岩村

●中田誠志(なかたせいじ)

1977年東京生まれ札幌育ち。
学生時代を千葉で過ごしたのち、東京で15年間社会生活を送る。
2011年に岐阜県恵那市岩村町に移住。地域おこし協力隊を経て、現在は「美濃丈プランニング事務所」代表。

 

歴史ある古い町並みがのこる岩村城下町。
町家をリノベーションしたコミュニティースペースの一角に、「美濃丈プランニング」事務所はあります。2011年に東京から恵那市岩村町に移住し、地域おこし協力隊を経て、現在は地域の身の丈にあった事業や活動を共に創る伴走型支援サービスを行っている中田さん。

岐阜県に移住した経緯や、現在の取り組みについてお話しを伺いました。

美濃丈プランニング

 

「都市部で実現できることよりも、地方で実現できることの方が多くなったから移住したんです。
地域おこし協力隊でなくても、移住はしていましたね。」

超消費型の都市部の生活。
子どもの成長とともに強く感じるようになった子育て環境への疑問。
一度、ライフワークバランスの見直しが必要だと感じ、
移住先をリサーチしながら動いていた時に起こったのが、東日本大震災だったそう。

「震災が起きたとき、都市部ってやっぱり変だったんですよ。しばらく水飲むなとか、普段できている買い物にも行けなかったり。
超消費型社会で生きて、地方に比べたら多少お給料もいいのかもしれないけど、住むにも何をするにも都市部はお金がかかる。当時住んでいたマンションの家賃は十数万だったんですが、それで子どもが飲めない水が出るマンションって、もう住む価値ないでしょ?普通に考えたら。そこでもう決めたっていう感じですかね。そこが大きな転換期だったような気がします。」

 

—どうして縁もゆかりもない恵那に?
「北海道や千葉も候補にはあったんですけど、やりたいことが地方にあってそれを実現するために行くわけですから、ここでやりたいなって惹かれる場所に行くべきだと思ったんです。移住についての話を聞いてくれる人たちの温度が僕にはちょうどよかった気がしています。それが恵那に決めた理由かな。」

岩村田んぼ

 

「僕らにとって、農的な暮らしは絶対外せないことでした。それと東京での仕事を辞めるとき、『会社』という働き方も、もう卒業しようと決めていました。」

当初は移住後すぐに起業しようと思っていたという中田さん。
空き家バンク制度を通じて住居が決まり、その報告で市役所を訪問した際に協力隊の仕事を紹介されたそう。

地方の課題を解決しながら新たなビジネスモデルを作っていく仕事内容と、企業でも行政でもないNPOという立場での中間支援に魅力を感じ、3年間は協力隊で活動することを決意。農村景観保全と都市農村交流を行うNPOに所属した後、現在の事務所を立ち上げました。

—現在のお仕事について教えていただけますか?
「事務所を立ち上げてからは、いろんな地域といろんな地域資源を使っていろいろしていますよ。(笑)
協力隊の仕事をしながら、東京でやっていたことを持って来れるものは持ってきて、いろいろ組み合わせたり、地方のものをどんどんそこにプラスしていくみたいなイメージで、起業に向けての準備はずっとしてきていました。

今は、プランニングとか、現場での事業支援とか、決まっていることをピンポイントでやることもあります。
協力隊の時に管理していた茅の宿さんとも継続的に仕事をしていますし、企業さんのCSR活動、県内外のまちづくり団体さん、観光協会さんとの仕事、総務省関係、地域おこし協力隊の講師や、岐阜県の移住定住コンシェルジュもしています。
月に2回くらいギター講師もやっているんですよ!
僕、調理師免許も持っているので、茅の宿でそばも打っています。
2/3くらいが固定の仕事で、1/3くらいが年度ごと、周りに左右されての仕事ですね。」



中田さんを表すイラスト!半分は農、半分はスーツでのお仕事。

 

—様々な業で生きてらっしゃるんですね!
「正直、めちゃめちゃ大変です。東京にいるときよりも1.5倍くらい働いているかもしれません。時間も内容も。ただなんでできるかって言ったら、いろんなことだからなんですよ。多面的だからできる。新しいライフワークバランスというか、もうライフとワークを分けないこと。地方では、それしかないなって思っていますね。」

—今、中田さんが一番力を入れていることを教えていただけますか?

「“価値”を上げていく、つくっていくっていうところにかなりボリュームを使っています。

これまで漠然と「地域でこんなことをした、よかったね!」で終わっていたことを、それで終わりじゃなくて、どれくらい価値があったのかを金銭的価値に置き換えるやり方<SROI(=社会的投資収益率)>もさぐっているところです。あれが全てじゃないんですけど、みんなで何か共有できる物差しをつくっていけたらって。」

—「SROI」今、少しずつ注目されていますよね。特にNPOの活動って、なんとなく金銭価値が分からないまま、想いありきで行われている部分が大きいじゃないですか。私たちも去年測ったんですが、あれって難しいけれどこれからみんなが考えていかなきゃいけないことですよね。
「地域の人にとっても行政にも見えていないけどものすごく必要なことなんですよ。地域で動きたい若者もいっぱいいて、でもそれが成り立っていない現状がある。どれくらいの価値があるのかが分からないから賃金にならなかったり継続性が生まれなかったり。それを埋めるだけなんですけどね。とは言っても、それが難しいところで。

ただ、これは早くやる必要があると思っています。
でないと、資源も時間も人も限られているんだから、みなさん力尽きちゃうかなと。」

美濃丈プランニングオフィス

 

「たぶん、優良的にどんどん和が広がっているところって、それがうまくいっているんですよ。新しいことを生み出していく若い人たちに価値があって、それが共有できていて、継続できて、暮らせて、仕事になってっていうサイクルでふくれあがっていくところに、さらに人が集中していく。それの逆だと、もう若い人は選ばない地域になってしまう。うまく活動しているところに人は行くんです、当たり前ですよね?
受け入れ側もそこを理解しないと、そういう地域だって言っているのと同じですからね。

じわじわと、今日と変わらない明日が来る。
だけどじわじわと人口は減少して、そうすると使えるお金も減っていくわけです。

今まで地域が手をつけてこなかったものや、見えないもの価値をみんなで共有して、そこにこそ価値があるんじゃないかってことを、よそから来た人も地域も行政もみんなで見いだしていければ新しいものも生み出していけるし、課題も解決していきながら、携わる人も幸せになっていけるんじゃないかと思っています。」

 

美濃丈プランニング事務所
住所:岐阜県恵那市岩村町309-1
電話:0573-43-2377
web:minotake-planning.jp

 

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