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おへそレポート

【イベントレポ】ローカルメディアには何ができる?4メディア実践者が恵那で語った”ローカルメディアの話”

2018/02/20

ローカルメディアおへマガ
 

|岐阜県・恵那で「ローカルメディア」公開座談会!


今、全国で注目されている「ローカルメディア」。
そんなローカルメディア熱を受け、女性向け旅メディア「ことりっぷweb」、滋賀「しがトコ」、埼玉県秩父「ちちぶる」、そして岐阜県恵那山麓地域「おへマガ」が恵那でコラボイベントを開催しました!

イベントの開催が決まったのはたったの10日前にも関わらず、会場は満員!(愛知や三重から来た方も!
オンラインでの配信も含めて、50名近くの方が参加して大盛況となりました。

ローカルメディア
▲恵那から全国へ配信!ローカルっぽさゼロのハイテク装置がすごい…

「これからのローカルメディアって?」「マネタイズはどうしてるの?」などなど、ローカルメディア運営者がじっくり語った90分。おへマガ編集長を後ろから見守っていた、おへマガ編集部@千景がお届けします〜!

 

|なぜ「旅×ローカル」なのか?ことりっぷwebがローカルメディアと提携するわけ


 
ローカルメディア
 

イベントのファシリテーターは、ことりっぷwebのプロデューサーである平山 高敏さん。
女性向けの旅メディアとして絶大な人気を誇る「ことりっぷ」は、ガイドブックのほかweb版、アプリもリリースされ、web版の月間読者数は100万人を超えています。

そんなことりっぷwebが、2015年に始めたのが、全国各地のローカルメディアと提携する「パートナーメディア」制度

各メディアがことりっぷ上で投稿できるほか、ことりっぷのSNSでローカルメディアを紹介したり、自治体と連携して地域を発信したりなどを行なっています。ことりっぷがパートナーメディア制度を始めた背景を、平山さんはこう振り返ります。

今までの旅の主流は、京都の観光地に行く、とか温泉に行くとかだっと思うのですが、日常におじゃまするという方向に旅の仕方が若干変わっているんですよね。その中で、地元に密着して発信しているWebメディアが増えているいう感覚値もあって。地元メディアと連携したら、より旅先や現地の人と繋がれる可能性があるんじゃないか、という思いで声をかけたんです。


このイベントに集まった「しがトコ」「ちちぶる」「おへマガ」も、実はそんなことりっぷパートナーメディアなんです。

 

|ローカルメディアを立ち上げたきっかけとは?3メディアの誕生の裏


 
ローカルメディア
 
秩父のローカルメディア「ちちぶる」の編集長を務めるのは、浅見裕さん。
「地元に帰ってからやれることを探そう」「やっている人がいないし、面白いからやろう」という趣味に近いような気持ちで始めたといい、立ち上げ当初は東京で働く片手間だったそう。現在ほとんどの作業を浅見さん一人で行っています。

滋賀を自慢したくなるローカルメディア「しがトコ」を運営するのは、林正隆さん。

ローカルメディア
 
しがトコ立ち上げのきっかけは、結婚して子供ができた後のUターンを機に“地元の人が滋賀を誇りたがらない現状” を変えたいと思ったことだといいます。

ベンチャー企業でWebマーケティングに携わっていた経験を生かし、滋賀の情報をSNSで発信できる仕組みを構築。

「自慢するといえば、SNSでシェアすること」。
この言葉が示すように、SNSでは突出したファン数、リーチ数を誇り、Facebookでは1記事のいいね数は多い時で3,000を超えるのだとか!

ローカルメディア論
 
そして最後は、恵那山麓ローカルメディア「おへマガ」で編集長を務める、園原麻友実さん。

実は2月に3周年を迎えたおへマガ。現在は3人くらいがコアで編集方針を決めたり記事を書いたりしているほか「おへそ仲間」という、それぞれの視点で地域を発信するライターが15人ほど在籍しています。

立ち上げのきっかけは、2012年から地域体験イベントを行っていた中で、「体験に来ることへのハードルの高さ」「紙媒体での発信の限界」を感じたことだったそうです。

|立ち上げ当初から運営体制まで。ローカルメディア運営のチップス

組織体制も三者三様なローカルメディア。まず最初は、その運営体制についての話から。

ローカルメディア  

おへマガでは、ライターそれぞれが自分で写真を撮って、それぞれが記事を書くというスタイルで進めていると話す園原さん。

取材に行く前に情報共有をしたり、取り上げ方についての話し合いをしたりはしっかりしています。
そのぶん、記事を書いてもらってからがっつり編集することはないですね。


一方でしがトコでは、林さんが運営代表、そして林さんの奥さんが編集長を務めるという形で運営しています。

最初は夫婦二馬力で、嫁が記事を書いて僕が写真を撮っていました。それも取材としていくというより、子連れでカフェに行って、写真を撮って、「美味しかったんで自分たちのやっているサイトに載せていいですか?」という感じで。

今は編集スタッフやライターとして他の人にも入ってもらっていますが、SNSでシェアされるという意図を持っているだけに、「画像とタイトルと書き出し」にはこだわって編集部でガチガチに入ろうと決めていますね。ただ、そこが変わると全体も変わって来るので、そこはけっこう考えてますね。


一方で、ほとんどの作業を一人で行っている浅見さんは「募集は常にしてるんですけど、僕のフェーズだと自分一人でやったほうが早いなという感じで。みんな熱量があっても、なかなか一緒にできないんですよね。」とのことで、運営体制はそれぞれバラバラのようです。

 

|ローカルメディアは路面店?サステイナブルなマネタイズ

 

ローカルメディア
 

次の話題は、事前に受け付けていた質問にも出てきた「マネタイズ」。
多くのメディア運営者が悩むポイントなのではないでしょうか?

しがトコではもともと Web制作の仕事をしていて、独立した時もそれで生計を立てていたそう。
林さんは「取材先でホームページがなくて困っている方が、『じゃあしがトコさんにお願いしようかな』と、営業せずとも仕事が入ったのが一番最初のマネタイズ」と話します。

 

ローカルメディア
 

平山さんは「ローカルメディアは路面店みたいなもの」と表し、メディアのマネタイズについてこう続けます。

アフィリエイトとか、グーグルアドセンスだと数の論理になって「とにかくバズればいい」ってなっちゃうんですが、それって続かないんですよね。

他のローカルメディアでも、地元のことを知っていること、地元のことを上手くかけること、Webを作れること、という観点で仕事が流れているんです。少し乱暴な言い方をすれば、ローカルメディアは信頼を担保するためのツールなんですよ。


ちちぶるも、Web制作とライター業がマネタイズのほとんどなのだとか。
浅見さんは「僕一人がやっていけるだけの路面店であり続けられればいい」と前置きしつつ、キャッシュポイントのズレについて指摘します。

始めたばかりの人は、キャッシュポイントは1年くらいズレると思っていたほうがいいですね。
ちちぶるも、今では多くの人が知っていますが、仕事になり始めたのは7.8ヶ月目で。ライターとかで声かけ始められたのもそれくらい。僕が続けられたのは、最初はまだ会社員だったらなんです。

Web制作やライター業の“路面店”として「認知と信頼」を築いてマネタイズをしている、しがトコとちちぶる。

一方で、園原さんは「いろんなキャッシュポイントを作っている」のだとか。

うちは母体はNPO。Webや紙の制作の仕事は連携しているデザイン会社にやってもらっていて、それ以外にも、ものを作ったり販売したり、講座をやったり、あとは最近「おへマガサポーター制度」を始めました。
サポーター制度を始めたのは「いいな、と思う情報」を読者がサポートする方針ってできないかな、と思っているからです。


 

ローカルメディア
 

イベント最後のテーマは「ローカルメディアの役割と今後について」。

そもそも何を目指すべきなのか?どんな役割なのか?それぞれの方針を深掘りながら、これからのローカルメディアを探ります。

林さんは「メディアである以上、PV数やファン数っていうのは1つの目標」とした上で、「それはゴールじゃないとしがトコのメンバーも思っている」とも。

ローカルメディアってオンラインのものだけど、これからはオンライン・オフラインをどう繋げてコミュニティを作るのか、というのがテーマになると思っています。滋賀で何かしたいってウズウズしている子と出会う場所を作るとか、そういう人たちが学びたくなる講座を作るとか、そういうローカルメディアだからできる役割もしていけたらなと。


一方で浅見さんは「マスとローカル」の視点からローカルメディアを考察。

マスメディアが信頼されない時代になってきて、世の中の流れが「小さなコミュニティの中で影響力」を持った人が信頼されるようになっていて。世の中がどんどん分散化、非中央集権化して、100人200人のコミュニティが大事になってきているんです。

 

ローカルメディア
 

何が大事かというと「ローカルの中で信頼のあるポジションをしっかりとる」ということ。間違っているかどうか、とかじゃなくて、自分の世界観を保って、伝えたいことを曲げずに伝える。そうすれば、共感する人たちの集まるコミュニティができていくはずなんです。


そして話は、平山さんの「そのマイクロコミュニティがどんどん外に向かっていくと思うんですが、移住とかまでめがけてるんですか?」という投げかけで、移住論へと突入します。

「移住させようとする」っていう考え方は僕ははっきり言って嫌いなんですよ。人口が減った、とか何人移住した、というゴールから逆算するんじゃなくて、楽しいことををやっていけば、結果人が集まってくるっていう、結果論の移住だったらやりたいです。

それに対して、おへマガ立ち上げ当初から移住は軸の1つだったという園原さんは「移住は結果論でしかない」としつつ、ローカルメディアの役割として「移住への後押し」を挙げます。

一般的な情報って「移住してきて、とっても素晴らしい暮らしを送っています」っていう人しか出てこないんです。
私たちのありのままの暮らしと、ガイドブックの情報って、すごいズレがあるんじゃないかなと。

私たちの本当に暮らしや、暮らしている人がどう思っているのか、というの伝えて言って「いいよねいいよね」っていう押し付けじゃなくて、「自然と暮らすっていいな」「恵那だとこんな風に暮らせるんだな」っていうのが積み重なっていくんだろうな、と思います。


最後の園原さんの「あくまでローカルメディアは手段なので、その中で私たちは何を解決したいのか、というのを忘れずにやる」という言葉が示すように、それぞれの地域、また組織のあり方によって、目指す姿は変わってくるのかもしれません。

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イベントに関するツイートが400件近く投稿されるなど、会場・オンライン配信ともに大盛況となった「ローカルメディアの話」。

編集者やライターさんだけでなく、ローカルな取り組みを行なっている方や関心のある方にも響く内容だったのではないでしょうか?
90分では話きれないこともたくさんあったようなので、また次回の開催ができたらな〜と思っています。

参加してくださった皆さん、そしてスピーカーの皆さんありがとうございました〜!

<スピーカープロフィール>

ことりっぷ
平山 高敏/ことりっぷウェブプロデューサー

2013年のことりっぷWebの開設時から Web事業全般を統括。2015年にはコミュニティアプリの立ち上げに携わり、メディアの枠を越えたコミュニティ戦略を担う。

azami
浅見 裕/ちちぶる編集長

1982年生まれ、埼玉県秩父郡出身。獨協大学法学部卒業後、インテリア総合商社に入社し営業を担当。営業部員として300名中でトップの売上を記録するが、7年間勤務ののち、ITベンチャー企業へ転職する。Webマーケティングに携わり、日本最大の航空会社や大手ビール会社などのWebサイト設計も担当。2015年6月から始めたブログでは、開始1ヶ月後に50万PVを超すバズを体験する。2016年にローカルWebメディア『ちちぶる』立ち上げ。4年間勤めたベンチャー企業を退社し、生まれ育った秩父にUターンする。2017年「浅見制作所」を開設。

hayashi
林正隆/しがトコ代表

1981年滋賀県守山市生まれ。大学在学時よりWebサイト制作に携わり、2010年から大阪のWebマーケティング企業にて、大手鉄道会社ポータルサイトや飲料メーカーキャンペーンサイトなどの企画制作やWebマーケティング支援に携わる。2012年地元の滋賀県にて独立し、“滋賀を自慢したくなる”をコンセプトとしたローカルメディア「しがトコ」を開設。Facebookを中心にSNSでのシェアを設計し、開設1年でファン数が1万人を突破、滋賀県No.1のファン数を誇るメディアとなる。

おへマガ
園原麻友実/おへマガ編集長

岐阜県中津川市出身。京都、カンボジアでの生活を経て、出身地の岐阜にUターン。2015年から岐阜県恵那山麓エリア(恵那市/中津川市)の”すてき”を発信するローカルメディア「おへマガ」を運営。NPO法人えなここに所属しながら、地域編集者として活動中。


この記事を書いた人

おへマガ編集部

名前   おへマガ編集部

おへマガ編集部のえなここです。岐阜県恵那市・中津川市出身&在住の女子。おいしくてカワイイものが好き!

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