この記事を書いた人
名前 武井彩夏
フェイスブック https://www.facebook.com/ayaka.takei.104
ウェブサイト http://blog.livedoor.jp/nouka_no_oyomesan/
おしゃべり、食べること、ご飯が大好きな群馬県出身の25歳。ふるさとワーキングホリデーで全国を飛び回り中。将来の夢は、大好きな「お野菜」と「地域」をPRすること!よろしくお願いします!
2018/04/17
こんにちは、初めまして!
恵那での暮らしを絶賛満喫中!の武井が初投稿でお送りします。
私は、「ふるさとワーキングホリデー」(地方での暮らしを2週間~1カ月体験してみようという総務省のプログラム)に参加している群馬県出身の25歳です。農家のお嫁さんを目指して、いろんな地域を回っています!おヘマガさんでお世話になっています。どうぞよろしくお願いします。
突然ですが、みなさんは最近、ホウキを使って掃除していますか?
小学生以来使っていない!なんて方も多いのではないでしょうか…。
ホウキは、ちょっとした掃除に便利ですが、つい掃除機に手を伸ばしてしまうのは私だけではないはず!自分で作ったホウキなら愛着をもって、使い続けられるのでは?と、おヘマガの先輩・太田さんと、恵那市中野方町で開催された「NPO法人 まめに暮らそまい会 チクチククラブ」主催のワークショップ「ばあちゃんに習うホウキ作り」に参加してきました!
サキばあちゃんが一から育てて刈り取った「ホウキモロコシ」を、自分たちの手で、束ねてホウキを作りました。
私は、身の回りにある昔ながらの知恵と町に根付いた文化を惜しげもなく教えてくださったサキさんに、とても胸を打たれました…!サキさんの仕事に対する向き合い方や心配り、実際にホウキを作ったときの様子についてのレポートをお伝えします。
こちらが、今回ホウキ作りを教えてくださったサキさん。
昔ながらの知恵袋をたくさん持っていて、この町でホウキ作りを教えられるのは、サキさんだけ。
講師をするときには、人にうそを教えてはいけないから、と今まで我流で行っていたことを、改めて調べなおしてから、伝えるそうです。
なんでも知っているサキさんでも、調べなおさなければいけないことなんてあるの?っていう驚きと、仕事の中に丁寧な心配りもあって、人として尊敬できる方だなって、とても感動しました。
人前に立って何かを教えるときには、お化粧をきちんとされて、髪の毛も染め直した、なんてお話も伺いました。80歳を超えても、身だしなみもばっちり!な「女性であること」を忘れない、素敵なおばあちゃんです。 (私も見習わないと…)
そんなサキさんから教えていただいたのは、「ホウキモロコシ」を使ったホウキ作り。
ホウキモロコシはイネ科の1年草。
一般的には、GW明けに種まきをしても、夏場に刈れるくらい成長が早い生命力の強い植物。
放っておくと2メートルまで大きくなるので、家の周りの風よけや、イノシシ除けに使われるそうです。
「夏は畑仕事をして、冬はホウキ作りをする」というのが、このあたりで行われていた仕事とのこと。
今回は、実が垂れかかってきた10月に刈ったホウキモロコシを束ねて屋根下で乾かしたものを使わせていただきました!
10月に刈ったホウキモロコシは赤く紅葉していましたが、夏に刈ったものを使えば、皆さんおなじみの緑色のホウキが出来上がります。
ホウキの見本はこんな感じ。不器用な私でもこんなにうまくできるかな…?と不安になりつつ、「ホウキ作り」スタートです!
まず、ホウキモロコシを脱穀します。
3パターンの方法で実をしごいたのですが、そこには「昔ながらの知恵」がたっぷり詰まっていました…!
1つ目は、木を使ってしごく方法
▲ぷちぷちという感触が楽しい!けれどこれでは地道すぎて、日が暮れちゃう…
2つ目は千歯こきを使う方法
▲実をひっかけて手前に引いて、木の方法よりも効率よく脱穀できました!が、それでも作業効率は良くない…
3つ目、足踏み脱穀機を使う方法!
▲回し始めは脱穀機が逆回転になりやすく、コツがいりましたが、始まってしまえば、とっても楽ちん♪
足が疲れるので2人1組で交代しながら、大量のホウキモロコシを脱穀しました!今は電気を使ってなんでもできる便利な時代になりましたが…
「どうしたら効率よく作業ができるか」を考え、工夫し、研究されてきたという昔の方々が開発してきた過程を知ることができた気がして、 先人の知恵に感謝しないといけないな、と感慨深い気持ちになりました。
そんなことを考えながら、いろいろな方法を駆使して…午前中の2時間でたくさんのホウキモロコシを脱穀しました!
(脱穀しながら、不要な葉っぱも落としました!)
▲この量の2倍くらい、脱穀しました…!ちょっと疲れた…
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体も使ってお腹ぺこぺこになった私たちに、主催者の方々が、お昼ご飯を作ってくださいました!「芋ごね餅」「手作りこんにゃく」「自家製麹につけた鶏肉」「自家製お味噌で作った豚汁」などをいただきました。
素材の味を生かしたお料理ばかりで、とっても美味しかったので、食いしん坊の武井は豚汁と芋ごね餅をおかわりしました(笑)
美味しいお料理を前に、参加者同士の交流にも花が咲きます!
ワークショップ当日は、午後から雪の予報で足元も悪く、また、寒い中だったのですが、「ホウキ作りを習いたい!」と、このワークショップのためだけに、泊りがけで東京から来られた方も…!(私もそのフットワークを見習いたい!)
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さて、お腹も満たされたところで、作業再開です!
午前中に脱穀したホウキモロコシを針金で束ねていき、ホウキを作っていきます。
まずは片手で簡単に握れるくらいの量のホウキモロコシを手に取り、穂の先を合わせるようにして簡単にビニールの紐で束ねます。これを3つ用意します。この3つが1つにまとまってホウキになります!
▲量としてはこんな感じ。
穂の先から約30cmのところを鉈の背で叩き、ペンチも使いながら、針金で力強く縛ります。飛び出た針金が危なくないよう、針金の先端をドライバーで押し込むのも忘れずに。
▲涼しい顔で作るサキさん。
この針金で縛る作業、サキさんは簡単そうにこなしていたのですが、いざやってみるととても難しい…。
力をいれないと、ぎゅっと縛れないし、でも力を入れすぎてしまうと、針金が切れてしまうし(泣)
やっぱりサキさんってすごい人だったんだ…!
3つの束を作ったら、穂の広がり具合を見て、どの束を真ん中にするかを決めます。 その後、真ん中になる束ともう一つの束を手に取り、穂の先を揃えて、針金で束ねます。
▲縛る前に鉈の裏でトントン叩きます!
ホウキの柄になる部分が太くなりすぎないように、何本かの茎を剪定ばさみでななめに切り落とします。このとき、柄の内側にくる茎を切るようにするのがポイントです。
そして、最後の一束も同じように針金で縛ります。3束が合わさったら、柄になる部分も10cmごとくらいの間隔で針金で縛り、柄の先端を剪定ばさみで丸くなる ようにカット!
最後に、掃くところの少し上の部分を、竹で作ったサキさんお手製の道具で並縫いして完成です!
サキさんのホウキ作りは「まさに匠の技!」であることを痛感しました。試行錯誤しながら、他の参加者のみなさんも作業に集中…
長いもの、短いもの、ボリュームのあるもの、など、思い思いに作ったホウキは、どことなく個性が出て、オンリーワンのものに出来上がりました…!
2~3年使うとホウキの先が丸くなるので、お掃除に使う度にどんどん掃きやすくなるホウキの形に変わっていくのだとか。
ホウキを作るのがとっても楽しくなり、調子に乗った私は、2本も作ってしまいました!
自分で作ったものって愛着がわいて、ついつい使いたくなりますよね! 今まで「掃除機派」でしたが、「ホウキ派」になってしまいそうです。
嫁入り道具にできるように、お掃除、頑張ります!
ホウキを作ってみて、身の回りにあるもの(生えているもの)を身近な道具を使って、掃除道具にしてしまう、昔ながらの暮らしの知恵は本当に素晴らしい、と改めて感じました。
さらに、この町に根付いたそのような素晴らしい文化や習慣、教えを、サキさんは、外から来た私にも惜しげもなく丁寧に教えてくださいました。それがとても嬉しくて、私はすっかりサキさんのファンになってしまいました。サキさんしか持っていない技や知恵をもっともっと教えてもらいたいという気持ちでいっぱいです。
「NPO法人 まめに暮らそまい会 ちくちくくらぶ」では、このようなイベントがときどき開催されているので、サキおばあちゃんに会いたい!という方はぜひ検索してみてください!
名前 武井彩夏
フェイスブック https://www.facebook.com/ayaka.takei.104
ウェブサイト http://blog.livedoor.jp/nouka_no_oyomesan/
おしゃべり、食べること、ご飯が大好きな群馬県出身の25歳。ふるさとワーキングホリデーで全国を飛び回り中。将来の夢は、大好きな「お野菜」と「地域」をPRすること!よろしくお願いします!