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インタビュー

|第3回|高橋侑子さん〈ちこり村〉

2015/04/03

 

岐阜県には良い農産物がたくさんある。
農家さんと一緒に、本物の「地域産品」をつくっていきたいんです。

 

高橋侑子
●高橋侑子(たかはしゆうこ)
1984年生まれ、京都市出身。信州大学を卒業後、ドイツのフライブルグ大学大学院に進学。
2011年、岐阜県中津川市の(株)サラダコスモに入社し、現在はちこり村兼務商品開発本部に所属。

 

恵那市・中津川市に住む人で知らない人はいないであろう「(株)サラダコスモ」
無農薬・無添加・無漂白の“もやし”をはじめ、発芽野菜や西洋野菜ちこりを生産するメーカーです。
2006年には教育観光型生産施設「岐阜・中津川ちこり村」を立ち上げ、農業の活性・食糧自給率向上・高齢者の雇用・地域活性化にも力を入れており、現在は年間約28万人が訪れているそう。

そこで主に商品開発を担当している高橋さん。
長野やヨーロッパでの生活を経て、中津川で活躍する彼女に話を伺いました。

 

—まず最初に。就職してここに来るまで“中津川”って、知ってましたか?

「信州大学に通っていたので、実家の京都に帰省する時に途中下車したことがありました。その時は何にもない街だなって思っていました(笑)まさかこの地で働くことになるなんて、当時は想像もしていませんでしたね。」

 

—何が起きるか分かりませんね!農業に興味があるとお聞きしていますが、大学時代からそういったことを?

「全然!信州大学では法律や経営を勉強していましたし、大学院では様々な視点からグローバリゼーションを考察することを大きなコンセプトとした「グローバルスタディーズ」プログラムで学んでいました。ドイツだけじゃなく、学期毎にアルゼンチン・インドと移動しながら学ぶかなり特殊なものでした。

ヨーロッパって、オーガニック食品に対する人々の関心がとても高いんです。それには驚きましたね。それと同時に、日本ってそういう意識が低いんじゃないかとも感じて・・・。元々農業に興味があったことも大きかったですが、インドでインド農業を学んだことも影響して、ドイツに戻ってからは食糧問題の研究に取り組みました。」

 

海外
 

—そして帰国するわけですね。
いろんな選択肢があったと思うのですが、どうして京都からも離れた地へ?


「職種や場所にあまりこだわりはなくって、商社を受けたりもしました。でもやっぱり、農業が好きでした。自分が農学部に進んで一次産業にどっぶりという感じとはまた違うんですが、なにかしら農業に関わる仕事に就きたいという気持ちがあったんでしょうね。

会社(サラダコスモ)が有機野菜を推奨していること、海外に行きたいとも思っていましたし、やりたいことをやらせてくれる社風が魅力的でした。また就職活動をする中で、自分には大企業より中小企業の方があっているんじゃないかと感じていて。色んなことをやらせてもらえる、小回りがきく、そういうのってやっぱり中小企業のいいところだと思うんですよね。

ここならいろんな事ができそうだし、仮に社長に何かやりたい!言えばチャレンジさせてもらえる可能性もある。実際、商品開発もして、売り場の運営もして、企画もして、営業にも行って。マルチに動けることが自分には合っていました。しんどいなと思うこともあるけれど、そこが良さでもありますね。」

 

ちこり村で働いて今年で5年目となる高橋さん。
地域の様々な人と関わりを持ち仕事をする中で、街に対する気持ちにも変化が生まれていったそう。

 

—中津川に暮らしてみてどうですか?

「人があたたかい!!
それから小学生が大きな声で挨拶をしてくれる、これには感動しましたね!引っ越してきてすぐの頃、朝登校する小学生が初対面なのに「おはようございます!」とすごく元気な声で挨拶をしてくれたんです。京都ではそういうことはあまりなかったので最初はびっくりしました。

それにみなさん、本当に優しいです。仕事で様々な人に出会う人機会がありますが、地域の人が地元のことや物を本当に大切にしているんだなと感じています。中津川には、色んな顔がありますよね?地域それぞれに特色があって面白いですし、そこが大好きです。栗きんとん絞りやそば打ちは、中津川に来て身につけた特技のひとつです!」

 

—最近担当したイチオシ商品を教えてください!

「入社してからこれまで、『中津川のかりんとう』や『ちこり村のゴーフレット』、『岐阜まるしぼり野菜ジュース』などの開発に関わってきました。最近取り組んだものは『ちこり村のあお豆まんじゅう』です。3人の開発スタッフで夜遅くまで話し合い、パッケージデザインまで含めると2~3カ月かけた商品です。デザインまで考えたのは初めてで、スタッフチームのみんなもとても思い入れのある商品なので、自然とお客様への説明にも熱が入ります。手に取っていただき喜んでいただけると、とても嬉しいです。」

 

ちこり村
 

—最後に、今後はどんな風に仕事をしていきたいですか?

「岐阜県は良い農産物がたくさんあるんですが、知られてないものが多いと思うんです。
各地で“名産物”と呼ばれているものでも、使い道がなく廃棄されていたり、一生懸命作っても販路がない。季節商品を加工品するにしても、農家さんたちが単独で行うと失敗してしまう例も多いんです。第六次産業化は補助もあって取り組む人も多いですが、成功した例が非常に少ないと言われています。

そういう中でちこり村は過去10年間で試行錯誤しながら商品開発をしてきて、やっと六次産業商品で売り上げを上げられるようになってきました。これからはちこり村だけではなく、農家さんたちと一緒に岐阜の野菜・果物を使った商品を開発していき、その農家さんにしっかりとお金が落ちるような仕組みを作っていけるといいなと思います。」

ちこり村HP:http://chicory.saladcosmo.co.jp/

 

高橋さんとはもうすぐ3年の付き合いになりますが、こうしてお話しを聞くのは初めてでした。
“地域産品を本当に売れる商品にする”
そんな強い気持ちと、様々な視点を持った若きアイデアリーダーが中津川にいることを、とても心強く感じました。「企業」という立場だからこそできる、作り手も、買い手も、地域をも幸せにする方法。今後も注目です。

 

取材:園原麻友実・小林賢也
文章:小林賢也
写真・編集:園原麻友実

 

 

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